配管・保温材のアスベスト確認
執筆・編集:石綿チェック運営事務局更新日:
結論
設備改修では、配管本体、直管の保温材、エルボ・継手、バルブ、塗材、ガスケット、壁床の貫通部を別材料として確認します。保温材の見た目だけでは石綿の有無を確定できません。
配管の保温材は、レベル2の石綿含有建材になり得る
厚生労働省の建築物石綿含有建材調査者講習標準テキストによると、石綿を含む保温材は1920年代から、建築物や構造物の配管用鋼管、タンク、タービン、焼却炉の外周などの保温・断熱・防露・凍結防止に使われました。保温材は、吹付け材(レベル1)に次ぐレベル2の石綿含有建材に分類されます。
保温材には、現場で粉末を水で練って配管やタンクの周りに塗り込むけいそう土保温材と、工場で成形した製品をボルトやバンドで取り付けるパーライト系・けい酸カルシウム系などの保温材があります。使われた石綿は主にアモサイトで、クリソタイルの例もあるとされています。
- 石綿保温材「スポンヂカバー」:〜1978年
- 石綿含有けいそう土保温材「けいそう土保温材1号」:〜1974年
- 石綿含有パーライト保温材「三井パーライト保温材」:〜1974年
- 石綿含有バーミキュライト保温材:〜1987年
どこに使われやすいか
配管は建物の内外に長く続くことがあるため、標準テキストは、図面で確認しながら配管の系統ごとに複数か所を調査する必要があるとしています。設計図書では、空調・衛生設備図の仕様書、機器表、部分詳細図に保温材の種類が書かれていることがあります。
- 給水・給湯・消火配管などのエルボ(曲がり)、チーズ、バルブまわり。直管部に使われることもあります。
- 古い建物の機械室にあるヘッダーやポンプなどの機器のまわり、ボイラー本体の断熱。
- 冷温水を使う空調方式の配管の保温。寒冷地では消火栓配管にも使われることがあります。
- 配管のフランジ接続部の石綿含有ガスケット・パッキン。高温部などの一部は禁止が猶予され、全面禁止は2012年です。
保温材を自分で切ったり剥がしたりしない
標準テキストは、配管保温材は粉末状になっていることが多く、調査で切断して確認するときも石綿の飛散を防ぐ養生が必要としています。保護テープや外装が傷んでいても、中身を確かめるために自分で切ったり剥がしたりせず、調査者に確認方法を決めてもらってください。
事前調査でレベル1・2の建材が含まれると分かった場合、工事開始の14日前までに、施工業者は労働基準監督署へ、発注者は都道府県等へ計画や作業の届出を行う必要があると厚生労働省は案内しています。除去する場合は、石綿作業主任者の選任と作業者への特別教育も必要です。配管更新の見積では、これらの手続と工程が含まれているかを確認します。
材料層と証拠のチェック
- 配管本体と直管の保温材・被覆を分ける
- エルボ、継手、バルブ、ガスケット、塗材を別材料として記録する
- 壁・床の貫通部と周囲の充填材・仕上げを確認する
- 見た目、色、模様、建築年だけでは石綿の有無を確定できないため、資料と有資格者の現地確認を組み合わせる
注意点
- 配管の用途や保温材の見た目だけでは材料を確定できず、建築設備か工作物かも設置状態と対象群で確認が必要です。
具体例
古い事務所ビルの機械室で冷温水配管を更新する場合、設備図の機器表と系統図から保温材の仕様を確認し、直管だけでなくエルボ、バルブ、フランジのガスケット、壁や床の貫通部を系統ごとに記録して調査者へ渡します。
配管系統で分ける材料
- 配管本体と直管の保温材・外装
- エルボ、継手、バルブ、フランジ、ガスケット
- 塗材、充填材、壁・床の貫通部
建築設備と工作物の区分
同じ配管でも、建屋への付属状態、設備用途、告示上の対象群により確認経路が異なる場合があります。区分が不明なときは設備系統図と設置状態を公式資料・有資格者へ共有します。
よくある質問
保温材の見た目で石綿を判断できますか?
判断できません。設備系統、施工時期、仕様、製品記録と、直管・エルボ・継手等の部位を照合します。
直管の結果をエルボにも使えますか?
エルボや継手は別材料・別施工の場合があります。同一材料と扱える根拠を調査者へ確認します。
配管は建築物と工作物のどちらですか?
設置状態、用途、建屋との関係、告示上の対象群で確認します。不明な区分は公式資料と有資格者へ確認してください。
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