施主・DIYの安全な順番
執筆・編集:石綿チェック運営事務局更新日:
結論
施主ができるのは、図面・築年・改修履歴の収集、工事範囲のメモ、調査会社への依頼、結果を受領してから工法を決めることです。壁や天井を壊しての自己採取、粉じんを立てる斫り、写真だけで石綿なしと決めることは避けてください。小規模リフォームでも事前調査の確認が必要になり得ます。
DIYでも調査の義務がある
大気汚染防止法は、建築物などを解体・改造・補修する工事を、請負契約によらずに自分で行う人を「自主施工者」とし、その工事が石綿の飛散対策が必要な工事に当たるかどうかを調査しなければならないと定めています。調査をした人は、工事をするときに、調査結果などを工事の場所で公衆に見やすいように掲示する必要もあります(厚生労働省の建築物石綿含有建材調査者講習標準テキストに掲載の条文による)。
自分で行う工事でも、事前調査の結果、吹付け材などが使われていると分かった場合は、作業開始の14日前までの届出が必要になります。
自分で「確かめる」ことが危ない理由
標準テキストは、分析のための試料採取でも、採取時と採取後の飛散防止を図り、状況に合わせた方法で行うことが重要としています。配管の保温材のように、中身が粉末状になっていて養生が必要な材料もあります。石綿かどうかを確かめるために、壁や天井を割る、削る、保温材を切るといった作業を自分で行うのはやめてください。
写真や色、築年数だけでは判断できません。例えば標準テキストは、屋根の下葺きに使われた石綿含有ルーフィングについて、目視で石綿を含むかどうかを見分けるのは極めて困難としています。
施主として準備できること
- 1建てたときの図面、仕様書、過去のリフォームの見積書や保証書を探す。
- 2手を入れたい場所を、壊さずに写真と間取り図で示す。
- 3リフォーム会社や調査会社に、工事範囲と希望時期を伝えて、事前調査の方法・費用・期間を見積に入れてもらう。
- 4調査結果を受け取ってから、工法と着工日を決める。
材料を乱さず集める情報
- 工事予定箇所を離れた位置から図面上で特定する
- 手元にある仕様書、保証書、過去の調査報告書を集める
- 穴あけ、研磨、切断、剥離を始める前に施工者へ共有する
- 見た目や建築年だけでは石綿の有無を確定できないと扱う
注意点
- DIYで壊す前に調査を省略すると、ばく露と法令上の確認漏れの両方のリスクが残ります。
具体例
壁紙の張替え前に施主が図面と築年を集め、調査会社に範囲を伝え、結果が出るまで斫りや穴あけをしない、という順番にします。
やってよい準備
- 設計図書・竣工年・過去の改修記録を集める
- 壊したい場所を図面や写真で示す(破壊はしない)
- 調査会社・元請に範囲と希望時期を書面で伝える
- 結果と見積の対象外条件を確認してから工事を決める
やらないこと
- 自分で建材を削る・割る・吸引する
- 画像検索や色だけで含有を断定する
- 『安いから調査なしで着工』を受け入れる
よくある質問
DIYで古い壁や床を壊してもよいですか?
含有不明の材料を自己判断で切る、削る、はがすことは避けてください。図面や製品情報を集め、作業前に元請または有資格者へ相談します。
施主が調査前に壊さず準備できることは何ですか?
築年、図面、仕上表、改修履歴、工事希望範囲を集め、触れずに読める製品表示があれば位置とともに記録します。材料を外したり削ったりせず、その資料を調査者へ渡してください。
工事中に不明な建材が出たらどうしますか?
その材料を壊す作業を続けず、位置と作業状況を記録して元請へ連絡します。具体的な隔離や確認方法は現場管理者と調査者の指示に従ってください。
自分の工事条件を整理する
工事の立場・対象・作業・時期を選ぶと、事前調査・資格・行政報告・届出・記録の確認ポイントを一覧にできます。登録不要で、入力内容は送信されません。
無料で確認する